2011年08月12日

ハッとして、ぎゅっとして、グッと目覚める恋だから ※1

 燃えさかり叫び狂い苦しむたましいの雄たけびはこの世への憎さ、うらみつらみだけからもたらされていたのか。負の感情もなくなり、もはや若くない。嘆く資格も、そんな自分に酔うルックスも、ゴールド免許もなにもない。顔も悪いし、部屋にはクーラーもない。だが続きを読む
posted by 罧原堤 at 20:57| 現代詩フォーラム-自由詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雨乞い蛙

 まほろばのことなどもう忘れました。まやかしの術ももう使いたくありません。あやかしの霧が晴れたとき、人々の心は深く傷ついているのですから。私はもう微笑みません。ほつれた髪の毛を鼻先にもっていくことはあっても。はしためが桶の水も汲まずに桃続きを読む
posted by 罧原堤 at 20:59| 現代詩フォーラム-自由詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

蠅車掌

 よろこびにはちきれんばかりに、チアリーダーが嬉しそうにポンポンをふるようにイチョウ並木全体がゆれ動いている。その葉陰にハエが一匹ひそんでいても誰が気づくだろう。ハエには風によってイチョウの葉が揺らされているのではなく、イチョウの葉続きを読む
posted by 罧原堤 at 21:00| 現代詩フォーラム-自由詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

チワワみたいに小さくて

 脳がねばっとして、何も手につかない。床には数日前に嘔吐したウィスキーとその日に食っていた食べ物が、吐き散らかされたままで、悪臭を放ち、部屋から抜け出るとき踏むと足に粘りついた。ただ拭きとればいいだけのことすら、する気にならなかった。どうでも続きを読む
posted by 罧原堤 at 21:01| 現代詩フォーラム-自由詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

貧乏人は魂を売れ!

 汚い暖炉の横にめがねを置いて彼は手でこめかみを押さえた。何度も激しい頭痛が彼を襲っていた。
「フォードル。目を開けろ」
 膝をつき、半目で床の上を見ていたドストエフスキーの視界に獣のような足が現れていた。青い足で衣類を何もつけていないその悪魔は続きを読む
posted by 罧原堤 at 21:02| 現代詩フォーラム-自由詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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