2011年08月14日

幼いながらの九百バリ

 針を九百本、自身の全身に突き刺せば悟りの境地に至れるという言い伝えがこの地にはあった。
 にぎわってはいなかったが、ありていに言えば、ほとんど客など寄り付かず、繁盛したためし、一度としてなかったのだが、俺が営んでいる針屋が町のはずれにあって、あいつはまだ若かったが、続きを読む
posted by 罧原堤 at 08:13| アリの穴 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

浪漫悲劇『帽子をとった花村』の第二シーンの、傷が癒え青空に飛び立つ鶴の心の闇

 気づいてたのか? 俺の正体を? そうだ、俺はウスバカゲロウだ。
 いつから気づいてたんだ? 俺が鶴でないことを。こうまで鶴になりきってた俺がバカみてえじゃねえか。お前は物語。俺は何も語れねえ。ただできることは、いつも岩を打ち砕く。つるはしで。夢も打ち砕く。鶴が打ち砕く。ようしゃなく羽をひろげ続きを読む
posted by 罧原堤 at 08:15| アリの穴 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 絨毯のようにぶ厚い、真紅のカーテンがだらんと無造作に垂れ下がったこの小ホールで、今日もまた観衆を前に、あかづきが酒を飲んでいた。 
 昨夜、一人の男を殺しそこなって帰ってきたのである。その殺されそうになった男は重い鎖を巻きつけられて海の底に捨てられ続きを読む
posted by 罧原堤 at 08:16| アリの穴 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マヌマ、サマ、ノ、ナグサミ、ニ、ト……

 モリで、魚をとってきてから彼女に電話をかけると、……、
『用は何? 私、純粋理性批判読んでて忙しいんだけど』
 足拭きマットを裏返して、……、壁に飾られてあった槍をとってパソコンに投げつけ続きを読む
posted by 罧原堤 at 08:17| アリの穴 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Moon Daughter

 月の娘は微笑みながらツエをふりまわして歌っていた。彼女の中のセキリョウ感は日に日にうすれていった。歌を歌うことによって。涙を流しながら笑っているうちに。
 
 笑い飛ばすのよ! 笑い飛ばすわ!続きを読む
posted by 罧原堤 at 08:18| アリの穴 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サーティーン・イン・ニューヨーク・シティ

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 俺はニューヨークの街を脳の中に再現させたい。イメージしたいんだ具体的に。頭の中にはっきりとした映像でだ。ビンビンくるようなもんビンビン。俺はもともとが九州生まれのいなかっぺでうどんはこしがあっちゃ許せねえ。やわらかいうどんが大好きだ。加ト吉食べて続きを読む
posted by 罧原堤 at 08:19| アリの穴 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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