2011年08月14日

失神King

 王様は憂いていた。日輪が冷徹な眼差しを投げかけたから。
 そして牧羊神が余計な瑠璃色の薔薇を長髪にさして不老不死を切望して宮殿の回廊を音もなくさ迷い歩いていたから。
 侍従に成り上がった黒んぼの奴隷が言うには、続きを読む
posted by 罧原堤 at 14:23| アリの穴 2011年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あがりこむ心

 羊飼いは果てしなく拡がる草原を前に眠ってしまった。前後もなくぶっ倒れて。羊の群れはなだれのように散らばり、その姿は雲のように隠れ、周囲の景色に溶け込み、山は枯れてしまった。飲み水もなく。生き物は姿を消した。どこか遠くへ。続きを読む
posted by 罧原堤 at 14:24| アリの穴 2011年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

自己弁護愛

 奇獣のぬいぐるみを見るたびにドキドキする。
 彼ら打ち負かされた者、弱者にとって、終えた望みを忘れることができるから。いつも見とがめられ続けている彼らはめったなことでたるんだ衣服を着ることはない続きを読む
posted by 罧原堤 at 14:26| アリの穴 2011年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

虹男(どうか? レインボーメンズと呼んでください?)

 年をかさねるたびに切なさに身を焦がすようになった。それも甘い夢想にふけりつつだ。そして周囲を見渡して街をうろつく。信号をよくながめて。
 不思議なる。一体例えばおっさん──ノンレインボーノンメンズと呼んで続きを読む
posted by 罧原堤 at 14:27| アリの穴 2011年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プロペラマン

 人っ子一人いない。人気がない。才能がない。感謝のカの字もない。結婚相手がいない。空はかげっている。
 かがやきたい。この気持ちは何なんだろう。夢に見た、たとえば民話のような世界を普通の生活にしたい。続きを読む
posted by 罧原堤 at 14:28| アリの穴 2011年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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